島国として知られる日本には、
6,852の島*がある(有人島416、無人島約6,432:令和元年海上保安庁発表数)
離島全体の面積は日本領土の約2%にすぎないものの、近年は領海や排他的経済水域(EEZ)の拠点としての役割も重みを増しており、より重要視されるようになっている
*北海道、本州、四国、九州の本土4島の数を含む
昭和62年、海上保安庁は『海上保安の現況』において、北海道・本州・四国・九州を含めた日本の構成島数6,852島を発表。同庁の島の定義は、国土地理院の縮尺海図と陸図(縮尺1/2.5万)を用い、以下の通りとなっている
■周囲が0.1km以上のもの
■何らかの形で本土とつながっている島について、それが橋、防波堤のような細い構造物でつながっている場合は島として扱い、それより幅が広くつながっていて本土と一体化しているようなものは除外
■埋立地は除外

その島々の離島振興を目的とした法律は2022年4月現在、以下の5つがある
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離島振興法(1953年~) ■奄美群島振興開発特別措置法(1954年~)
■小笠原諸島振興開発特別措置法(1969年~)
■沖縄振興特別措置法(1972年~)
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有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法(以下、有人国境離島法)(2017年~)
この中で、離島振興策の原点と位置付けられるのが、1953年に制定され最も多くの島をカバーしている
離島振興法。戦後日本が力強く国を立て直している時期に議員立法*で作られ、離島の復興を加速させようという政府の強い意思が伺える
*10年間の時限立法で改正を繰り返しており、現在の離島振興法は2012年改正
振興対策実施地域は当初、主に外海に面する島だったが、のちに瀬戸内海など内海の島も含めるようになり数を増やしていった一方で、
本土と橋が架かったことにより指定が解除される島もあり、その後増減を繰り返しながら
2018年4月1日時点では255島が対象。対象となるか否かは、
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いわゆる「本土」5島との間に架橋や埋立接続などがなされて常時交通が確保された場合、原則として法律の指定は解除される つまり、出島においてもこれまで半世紀以上に渡って離島振興法の対象として多くの港湾、道路等のインフラ整備に恩恵を受けてきたが、出島架橋完成後はその対象から外れる筈なのでその後の特に港湾、道路等のインフラ整備に関しては心しておく必要がある
離島振興法は当初、電気や水道といった基本的なライフラインをはじめ、港湾や空港、道路など、産業・生活基盤の整備に主眼が置かれた。近年では、医療・介護や教育など、ソフト面への施策がより重要視されるようになったほか、領海やEEZ保全などの観点から無人化を防ぐために定住促進が明記されるようになった。昔からの「離島振興法」に加えて、タイトルにある「
有人国境離島法」なる法律が2017年法制度化された。これは竹島問題や(故)石原元都知事が東京都として尖閣諸島買収し後に国有化した尖閣問題等に対応すべく法制度化された特別措置法である
国土保全は国にとって最優先の安保事項なので、関連法の整備には全く異論はないが「有人国境離島地域は、日本国民が居住していることにより、漁業、海洋における各種調査、領海警備、低潮線保全区域の監視等の領海等の保全等に関する活動の拠点として重要な機能を有している。」と定義しつつ、対象となる有人島は上の画像(出典:内閣府、離島経済新聞)のとおりとなっている。例えば、宮城県の金華山などはどう国境に接するのだろう?まあ、それに準ずる重要であるという解釈、政治的こじ付けであろう。他方で当該地域への指定が地域住民、利用者にとって良い事で不要な足枷がなければ全く問題ないのだが…